赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


「ただいま」

「おかえり~。あ、せんべいだ! 美味しそう!」

「みんなで食べなって、おばあちゃんからもらった」

「マジかよ。お菓子だらけだな」

「あはは! パーティーみたいだね!」



潤くんが戻ってきたので妄想を中断。

ちゃぶ台の上に置くと勉強するスペースがなくなるため、勉強机の上に置き、休憩時間までお菓子はお預けに。


よしっ、公式を頭に叩き込んで問題を解きまくるぞ!

腕をまくり、やる気満々で教科書を開いた。



────
──



「ねぇ千冬、これ何て書いてあるかわかる?」

「ん? 自分で書いたのにわかんないの?」

「急いで写したから……」



開始10分でノートの解読ができず、千冬の助けを借りた。


丁寧に解説されるも、内容が難しくてわからず。
というか、もはや何を言っているのかがわからず……。

混乱しすぎて思考が停止してしまった。


まだ教科書数ページ目なのに。

もう“V”が“ひ”に見えてきた……。
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