赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
ちゃんと理解できたか、成績を見せ合う約束をし、帰る準備をする。
今日は朝から1日中頭を使ったなぁ。
でも、潤くんのおじいちゃんとおばあちゃんと話せたし、苦手も少し克服できたし。
あとお菓子もたくさん食べられたし、楽しかった!
今夜はぐっすり眠れそう。
「じゃ、玄関で待ってるから」
「はーい」
食べ終わったお菓子の袋を片づけていると、先に準備を終えた千冬が部屋を出ていった。
今日は気を遣わせまくっちゃった。
次に勉強会する時は時間帯も考えないと。
「それじゃもらうね」
「……うん」
足音が聞こえなくなったのを確認し、潤くんに手の甲を差し出す。
「っ……」
いつものようにチクッと痛みが走った。
学校で吸血される時とは比にならないぐらい心臓が暴れている。
だって今は潤くんの家にいる上に、部屋には私達2人だけ。
今朝は顔を見る余裕があったけど、ドキドキしすぎて、今はそんな余裕これっぽっちもない。