赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
「あのさ、勉強教えてもらったお礼がしたいから、テストが終わったら遊びに行かない?」
「えっ⁉」
うっとりしていると、突然デートのお誘いをもらった。
待て待て、デートじゃない。遊びのお誘いだ。冷静になるんだ自分。
「いきなりごめん。予定が空いてる場合の話だから、無理しなくて……」
「空いてる! 空いてるよ!」
潤くんの声に被せるようにすぐさま返答した。
「良かった。風花の要望全部聞くから、欲しい物とか食べたい物があったら言ってね」
「わかった! ありがとう!」
欲しい物かぁ。
服や小物、あとは本とか。
食べ物なら、ケーキ屋さんのスイーツとか、新しくできたレストランのハンバーグが食べたいな。
他にも、遊園地とか水族館とか、色んなところに行ってみたい。
お金が足りなくなっちゃいそうだから全部は言わないけど。
それに、潤くんと一緒に過ごせるだけでも充分幸せだし。
一応食べたい物は考えておこうっと。
心を躍らせながら帰路に就いたのだった。