赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


あっちからしたら、私は千冬と同じ幼なじみ。

だから、どんな服を着てるかいちいち気にしてはなさそう。

だけど、私からすると、幼なじみと同時に好きな人でもあるから、多少は気になる。



「今日休みだけど会うんだよね?」

「うん、まぁ……」



柚季ちゃんと遊んだ後、潤くんに血をあげる予定がある。

潤くんも今日予定があったけど、夕方には帰るとのことなので、用事が終わった後そのまま家に来るらしい。


私服姿が見られるのは嬉しいけども。



「なら聞いてみたら? 思いきって『どんな服の女の子が好き?』って」

「えええ⁉ 恥ずかしいよ!」

「なに言ってんの! 明日のデートを楽しむためよ! 服装で失敗したくないでしょう?」

「そうだけど……」

「それに幼なじみなんだから、変にかしこまる必要ないし。気軽に聞いてみたら?」



気軽に……か。

だよね。好きな服のタイプを聞くだけだから、かしこまる内容ではない。

でも、サラッと尋ねるなんてできるかなぁ。
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