赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
「風花は? 俺にどんな服着てほしい?」
「えっ」
感動しつつ撃沈していると、自分がした質問をそのまま返された。
着てほしい服……そうだなぁ。
考えながら潤くんの体に視線を移す。
初めて吸血されて肩にもたれかかった時に知ったけど……意外にも、上半身に厚みがあるんだよね。
骨格もしっかりしているからどの服も似合いそう。
「私も……TPOに合ってる服かな。潤くんならなんでも似合うと思う」
求めていた答えをもらえず落ち込んだわりには、結局自分も似たような答えにたどり着いてしまった。
「答えになってなくてごめんね」
「ううん、ありがとう。なら、明日はお互いに好きな服を着て集合な」
「わかった。楽しみにしてるね!」
約束を交わした数分後、両親が帰宅。
しばらく談笑し、家族総出で潤くんを見送った。
その夜──。
「潤くんは、どんな服の女の子が好きかな……?」