赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
派手な柄のシャツに、じゃらじゃらしたアクセサリーをつけたお兄さん達。
髪の毛はワックスで固められていて、見るからに遊び人の匂いがプンプン漂っている。
これはもしや……。
「なら、お時間ありまよね?」
「お友達が来るまで一緒にお話でも」
予想通り、ナンパの人だった。
「いやぁ、実は俺らも友達待ってるんですけど、まだ時間かかるみたいで」
「せっかくですし、あそこのベンチに座って時間潰しませんか?」
「あー……」
どうしよう。こういうの初めてだから、どう断ればいいのかわからない。
口調は丁寧でも、下手に断ったら逆ギレされるかもしれないし……。
潤くんに助けを求める?
でも、約束の時間までまだ30分ある。
準備の最中だったらすぐ駆けつけるのは無理だ。
「あ、あの、私高校生なので……」
「え! そうなんですか⁉ 奇遇ー! 俺らも高校生なんすよー!」
「どこの学校に通ってるのー? 近所ー?」