赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


レストランの近くにある服屋さんに入り、アクセサリーコーナーを物色する。

ちなみに、ニンニクの臭いはガムで消臭済み。



「でも、今日は特別につけてきた」

「へぇ〜! どんなの……って、ええっ⁉」



ガーリックハンバーグに引き続き、本日2回目の驚きの声を上げた。


シャツの中から出てきた、キラッと光るシルバーのネックレス。

パッと見は綺麗でシンプルな印象だけれど……。



「大丈夫⁉ これ、具合悪くなるやつじゃない⁉」

「平気平気。昔からつけてるけどピンピンしてるし」



首周りに下げられているモチーフが、まさかまさかの、吸血鬼にとって致命的と言われている十字架だった。


さっきのニンニクと同様、苦手な人が多めだけど、潤くんは平気とのこと。

シャツの中に隠していたのも、他の吸血鬼に見られないよう配慮していたからだそう。


なんともないのなら良かったけど……どうしてこの形を選んだんだろう。

もっと他にかっこいいのあったよね?
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