赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―
ぬ、ぬ、脱い……⁉
「なっ、何言ってっ……」
「この人みたいにくびれを作ると、今よりもっと色気が出ると思う。これなら硬派な夜城くんもノックアウト確実ね!」
言い終えると、柚季ちゃんはニヤリと笑って親指を立てた。
いやいや、グッ! じゃないから!
もう、また妄想爆発させて……。
柚季ちゃんの頭の中、一体どうなってるの? 本当に私と同じ女子高生だよね?
「確かにくびれは作りたいなとは思ってた。でも、ノックアウトするかなぁ?」
恋バナをするイメージもなければ、女の子の話で盛り上がってニヤニヤしているイメージもない、お堅い印象の潤くん。
柚季ちゃんはああ言ってたけど……そもそも、潤くんの前で服を脱ぐ機会ある?
唯一あるとしたら、吸血される時にシャツを開ける時くらい?
でも今は手の甲から飲ませてるし……。
「チッチッチッ、夜城くんだってお年頃の男の子なんだよ? 特に、ああいう硬派なタイプこそ、心の中ではスケベなこと考えてるんだよ」