赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


男子が苦手なのもそうだけど、身分が違いすぎて恐れ多いというか。


1度失礼な態度を取ってしまっているし、また同じことをしでかしたり、(しゃく)に障ることを言ってしまったら……。


告げ口されて、今後の学校生活が危ぶまれる恐れがある。


レオさんもあの時初対面だったけど、柚季ちゃんからよく話は聞いていたから、そこまで警戒心はなかった。

でも、沢村先輩のことはほんの数分前に初めて知った。


どれだけ人柄が良くても、根底に恐怖心があるから、信用していいのかなって疑っちゃうんだ。



「柚季ちゃんだったらどうする?」

「んー、私は基本的に、迷うくらいならやめるって決めてるんだけど、少しでもやってみたいって気持ちがあったら挑戦するかな。初めてのことはドキドキするけど、やってみないとわからないことも多いし」



慎重でチキンな私とは対照的に、柚季ちゃんはチャレンジャーな性格。

やらないで後悔よりもやって後悔のタイプで、レオさんと付き合う時も、ダメ元で自分から告白したと聞かされた。
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