おるごーる。
やり直し

家に帰るとテレビがついていた。

…昔から“テレビ”って言うものが嫌いだ。
だって、無駄に騒がしいもの。

《いやぁ…伝説のアイドル…
華琉(はる)が辞めてしまうなんてね…。》

華琉、その名前を聴いて直ぐに涙が溢れてきた。伝説のアイドルとか、嫌い。
何でもかんでも直ぐに、伝説だの、数年に1度とか、五月蝿くて、騒がしい。

華琉…か…
気にしちゃダメだよね!
そんなもの、過去のお話。
過去に囚われたくないから、良いでしょう
それぐらいなら…

「ただいまー」

お父さんが帰ってきた。
「おー咲愛〜
もうアイドル辞めるんだろ?
じゃあもうお父さんとやったって良いじゃないか、」

『……さい、てい……』

いつもこう、
気持ち悪い、お父さんだなんて呼びたくない。けど生憎そんな勇気はないから今日も_

「ただいま〜
あら?お父さん帰ってたのね。
珍しいわね〜単身赴任大丈夫なの?」

「…あぁ、大丈夫だよ。
お母さんも元気そうだし、咲愛も良さげだし、安心安心!」

最低すぎる。
なんでこうなのよ。
いつもいつもいつも…
『ちょっと勉強してくるね…?』

「分かったわ、
頑張ってきてね!」
『はーいっ』

元気な振りも溜まったもんじゃない。
あんな人、嫌いだ。
人なんて、自分の欲望ばっかり見てるもの。

…やっぱり嫌いだ。
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