星空とミルクティー


『あ。今、コンビニ着いたよ』



 陳列棚から離れてコンビニから出ると、見慣れたステーションワゴンが停まっていた。

運転席から父が顔を出す。



「汐も乗って」



 言われるまま後部座席に乗ると、助手席の真雪が振り返って「お疲れ様」と笑った。

あたしの隣には新品ではないけど、そこまで使い込まれていない鍋やボウル、おたまといった調理器具があって、その足元には箱に入ったファンヒーターが置いてあった。


 父からいろいろもらったって言ってたな……。
まさか、これ全部?

あたしが一人暮らしをするときは何もしなかったのに。

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