星空とミルクティー
 頭を冷やすつもりでシャワーをかぶる。

あたしがしてきたことよりも父のほうが、よっぽど真雪の為になっている気がする。

真雪を父に取られた気分になって悔しい。

あたしのほうがわかっているつもりだったのに。

真雪だって、父親じゃなくてあたしにもっと頼ればいいのに。






 風呂からあがると、テーブルの上に料理を並べたまま食べずに待っていた。

テレビからあたしのほうを向いて立ち上がる。



「……食ってねえじゃん」

「うん。汐こっち座って」



 ドライヤーを持った真雪がベッドの縁に腰を下ろして呼ぶ。

これみよがしにため息をついて見せて、しぶしぶと真雪の前、テーブルとベッドの間に座る。


 そうやって優しくするから、あたしが勘違いするんだ。
さっきみたいに風呂場でこっそり泣いたりして、無駄に心が乱される。

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