星空とミルクティー






仕事が終わってまっすぐ家に帰りたくなくて、久しぶりに実家へ戻った。

最後にここへ来たのは、真雪を連れてきた日だったから1ヵ月半も空いていた。



「今日、まゆ君は休みだよ」



誰もいないカウンターのど真ん中に座る。

休憩中の父に無理を言って、鍋の中に残っていたビーフシチューをもらった。



「知ってる。今日、うちを出ていった」

「ずいぶん早いね。大丈夫そう?」

「知らない。本人が出てくって言ったんだから、大丈夫なんじゃない」



投げやりな返答に父が苦笑する。

だって、あたしに言われてもわかるわけない。



「もう一緒にご飯食べたりしないの?」

「しない。ダディだって真雪に鍋とかあげてたじゃん。自炊でもしてんじゃない」



言ってから不安になった。

本当に自炊してる……?またコンビニ通いになっていたらどうしよう。

いや、家事全般できるし大丈夫か。……本当に大丈夫?

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