星空とミルクティー
雪がちらつく駅前をゆっくりと歩く。
時計を見ると、まだ19時を過ぎたばかりだった。
家に帰ってもやることがないし、もう少しどこかで時間を潰したい。

真雪と一緒に暮らすまでは、一人でいるほうが好きだったはずなのに。
どうしてこんなふうになっちゃったんだ……。



とぼとぼと歩いて家の近くのコンビニに入る。

もしかしたら真雪がいるかもしれないと期待したけど、中にいたのは暇そうな大学生っぽい店員だけだった。

適当に酒を何本か選んで店を出る。

コンビニ袋をガサガサ言わせながら、アパートの錆びた階段を上って部屋の鍵を開けた。

冷えた空気と真っ暗な部屋。
わかってはいたんだけど。

あぁ、この瞬間が嫌いになりそうだ。



電気をつけてファンヒーターをオンにする。

テレビもつけて、いつも真雪が座っていた場所にコートのまま腰を下ろした。


テレビ側の壁の向こうは真雪の部屋に繋がっている。

今日の朝、別れたばかりなのに、真雪に会いたくて堪らない。

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