素直にさせないで
「なんだって不破・・・」
「だからコイツをマネージャーにしてください。俺専属の。」
偉そうに私を顎先で指しながら先輩に言い放ちやがったよコイツは・・・。
「・・・・不破・・・。うちは、東海ナンバーワン強豪中だ。マネージャーは、三年のユニフォームもらえなかった奴がなるって決まってるんだ。」
「へぇー。」
「この名古屋中男バスの長い歴史の中で未だかつて、女子のマネージャーを置いたことはない。しかも専属なんて・・どこの部活でも聞いたことがないぞ。」
そうそう。そんなの罷り通るわけないじゃない。
いいぞ、先輩!
「じゃコイツが初めてってことで。宜しくです。」
私の頭を強引に下げさせてくるが、私はその手を振り払い、
「あっあの!!私、ほっっんとぉぉおーーにマネージャーなんかやる気なんかなくて、コイツが勝手に言ってるだけですから!!」
好都合な交渉決裂ってことで、私はその場から立ち去ろうとすると、
「ぁあっ!?てめぇ、何怖じ気づいてやがる!!俺様の側でバスケみたくて、入試すっぽかしてこの中学選んだんじゃねぇーのか!!!」
「だから違うって!!」
「そうか…、不破の為にか。一途な子だ。そりゃ仕方ない。マネージャー宜しく!」
「って・・はっ?!決断早っ、強豪の伝統はどうした・・!?」
トントン拍子に進む話に私は思わず上級生に向かって突っ込みをいれてしまう・・・