素直にさせないで
「いっいや、いや全然違うて。あんたが勝手に私にくっついた桜の花びら食っただけで」
「いや、これは完全に間接キスだ!!!」
いや、もう・・あんたのいうことなすこと全てが理解不能・・・
中学に入って益々コイツの病気は末期を迎えているに違いない。
一刻も早く離れよう。コイツの隣にいたら頭がイカれてしまう。と私は急に走り出す。
「待て!いちいち恥ずかしがるんじゃねぇ!!!」
「あんたの脳内どういう思考回路してんの?!」
神様、
バカの考えていることは、私にはこれっぽっちも理解できません。
ただひとつ嫌でも理解できたことは、
これからも不破に振り回される運命は否めないということ。
「え、女のマネージャー?」
「うん。可愛いこだよ。」
次の日、バスケ部の部室では昨日はいなかった三年の副キャプテンの男がやってきて、キャプテンに答えた。
「へぇ。早く会いたいな。」
にっこりと答えるのは、強豪名古屋中のエースの座に君臨し、U18の日本代表にも選ばれている男。
栗原想汰だった。