素直にさせないで
「もしかして不破君のマネージャーになったの?!」
そこへ、準備に勤しむ女子マネージャーらしき子達がやってきて私の様子を伺うように尋ねてきた。
「ううん。アイツが勝手に…」
言いかける間もなく、
「あの不破君のお気に入りってことでしょ!?さっ、こっち座って!!」
いきなり椅子を用意して、私を姫のように扱いだす・・・
「でもあの硬派なエースの不破君がマネージャー候補の女の子を連れてきたの初めてだよ?!」
硬派・・・?!
聞き捨てならぬ誤報に私は口元がピクピクとひきつる・・・
「だとしても、私は嬉しくない!」
そこで喜ぶような女じゃないときっぱりと否定すると、
「うちのミニバスのエースだからみんな不破君のマネージャー志願で告白したりする子多いし。だから凄いよ!不破君の方から女の子連れてくるなんて」
意外そうに人の顔をちらちらと見てくるが、私の方が疑問に思うことがある。
「あの…、マネージャーって一人につき一人なの・・?」
目の前の3人の女の子達に尋ねた。
そもそも、ミニバスにマネージャーって必要なのか?と私は首を傾げたくなってしまうが。
「ううん。専属のマネージャー持てるのは、不破君の許しを得たスタメンの人だけだよ。まぁ実際は全体のお手伝いもするけどね。」
この三人はスタメンの五人中、三人のマネージャーってことか。
「不破の許しってなんて生意気…なんだそのふざけた制度・・。」
益々嫌いになりそうだ。