素直にさせないで
「えっ、らら。不破君のマネージャーになったの!?」
次の日、私がバスケ部のマネージャーを引き受けたことはクラス中とごろか、学年中の噂になっていたらしく朝クラスの女友達に驚かれた。
「ち・が・う!!湊(とバカ)のマネージャーだから!決してアイツ専属のマネージャーではないから!!」
「同じじゃない…」
「断じて同じじゃない!!!」
「ふーん。あんなに毛嫌いしてたのに、どういう風の吹き回し?」
親友の瑠菜が何か言いたげに顔を覗き込んでくる。
「別に。」
「お、新川ー!ありがとうな!マネージャー引き受けてくれて!」
廊下で山崎先生に会うと、私を見るなり嬉しそうに声を弾ませるも、
「先生っ!!約束通り内申あげてくださいね!!私が名古屋大付属女子に受かるように!!それが絶対的条件ですからね!!」
「ああ。もちろんだ!任せなさい!」
あははっとおおらかに今日も呑気に笑って去ってく。
「そういうことで引き受けたから!」
私は隣にいる瑠菜にさっきの答えの説明する。
「ふーん。それだけ?」
でもまだ信じて貰えてなく、
「それだけに決まってるじゃん!!」
「ふーん。」
ニヤニヤとした彼女の視線を、私ははねのけるも、
「ま、別に問い詰めないけど、これで不破君また勘違いしちゃうんじゃない?」
「は?」
「決まってるじゃない。ららはもう不破君の奴隷決定だよ。」