素直にさせないで




「うぉいっ!!!お前ら!!!なんで二人が一緒なんだよぉお!!!」

体育館を出ると、待っていたのか不破がこちらを見て睨みずかずかとがに股でこちらへと詰め寄ってくる。
「別に関係ないでしょっあんたに!!」
私はふんっ!と突っぱねるも、

「中庭にいて体育館に戻ったら、新川さんの片付けと同じタイミングだったから出てきただけです。」

湊が紛れないもない事実を言うと、怒って唸っていた不破は、
「本当かっ!?」
「本当ですよ。」
むろん嘘をついている様子などないと分かったのか、疑うのをやめ、
「お疲れ様でした。」
お辞儀をしてスマートにその場を立ち去った。


行っちゃった…

思わず口にしそうだった私は名残惜しそうに思わず見入ってると、
「俺の汗を拭けっ!!!」
「はっ・・・・?!」
着替える時気持ち悪くなかったのか・・汗だくのままの私服姿に、
「はっ、じゃねーだろ!!俺様の汗を拭きやがれって言ってんだよ!!」
「まだ言ってんのあんたは・・・」



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