素直にさせないで
「誰も候補してな…」
「お前がこの俺様の為にしてくれたのめちゃくちゃ嬉しすぎんだろーが!!!」
真っ赤な顔で唇噛み締めながら、笑ってんだか、怒ってんだか、分からないような顔で怒鳴るから…
意味分かんない…
「お前を正式に俺の一生の女にしてやるよ!!」
拍子抜けしてる間にコイツの話しはぶっ飛ぶ・・。
「はっ!?結構だっつーの!!」
「恥ずかしがるんじゃねぇよ!!」
「あんたってなんて迷惑な思考回路してんの・・」
「まだ気づかねぇのかよ!!?お前と俺は一生関わるんだよ!!死んでも生まれ変わっても、二度も三度も関わる!!無限にな!!離れてても俺のこと考えて毎日顔も見たいくらい大好きなんだろうが俺のこと!!!」
「嘘でしょあんたって一体どんだけ勘違い」
否定するのも疲れてくるくらい頭がクラクラして押さえていると、
私などおかまいなしに散らばったバスケ本を大事そうに拾い上げご機嫌な不破は手にしたノートをペラペラと捲ると、
「ん・・・」
何やら何かのページが目についたのか、その手は止まり、
「何…」
今の今まで真っ赤だった顔は急に真っ青に青ざめて手にしていたノートを持っていた手が震え出す…
「なんだこのぉお…湊LOVE♡…って落書きはぁぁあっ!!!!」
「え」
そこには、ノートのはしっこに“湊LOVE”と書かれた落書きに気づかれ、猛獣不破の怒り心頭、真っ二つにノートごと引き裂かれた・・・
「この浮気女がぁぁああああああっ!!!」