素直にさせないで
そして息を吹き返した名古屋小のミニバスは、巨人兄弟率いる東京のミニバスチームを下したのであった。
「翔真!ナイスアシストだ誉めてやる!!」
試合終了のブザーが鳴り響き、先生もベンチ陣も抱き合い、珍しく嬉しそうに不破は湊に抱きつく。
「はい、ありがとうございます。」
最高のアシストでチームにいい流れを作った湊も今日は強豪相手に嬉しそうな顔を浮かべ、
「このお守りって、強力なんですね。」
「あ・・・?!」
ユニフォームのポッケから取り出した自分と全く同じお守りを今日は途中で敗北を覚悟してしまった湊は、しみじみ見ながら言った。
「なんでこれお前も…」
もしや…と眉をピクピクさせながら湊の持つお守りを睨んだ。
「新川さんから貰いました。」←にっこり。
「ぬぁんだとぉぉおお!!!?おいっ!!ららぁぁああっ!!なんでコイツにも渡したんだ!!!俺だけを応援してるって言ったじゃねぇかぁぁああっ!!!」
最高の気分から一転、わなわなと怒りに震える不破の再びいつもの怒号が体育館に響き渡る・・・
「そんなこと誰も言ってない!私は湊の専属マネージャーでもあるんだから!」
つーんっと私はそっぽ向くと、
「ぬぁあんだとぉぉおっ!!!お前は俺様だけの専属マネージャーで、俺様だけの女なんだよぉお!!この浮気女がぁぁあああ!!」
「あんただけなんて言った覚えない!!!来ないで!!!」