素直にさせないで
「不破と仲良くな。」
そして、帰宅のバスに乗るマイクが罰が悪そうに笑うと、
「それは無理。またねマイク。」
私は後ろ髪引かれる思いで挨拶を済ませ、再びアリーナに戻ると、
「いいな、と思っちゃいました?」
壁に寄りかかる湊が何か言いたげに水筒飲みながら聞いてくる。
「うん…正直言うと…。紳士だし、誠実だし、優しいし、私に合わせてくれるし、フィーリングも合うし…」
クスクスとお腹を抱えて面白そうに湊は笑いだす。
「ちょっと何…」
「マイクさん彼女いますよ。確か同じ小学校で。」
「ぅえっ!!?」
私は思わず目を丸くして聞き返すと、
「俺は不破さんの方が、よっぽど誠実で優しくて、新川さんとフィーリング合ってると思いますけど。」
「どこが誠実で優しいの!!?」
「一途ですよね。あんなに結婚したいくらいずっと一緒に自分といたいって豪語してくれてる人中々いなくないですか?」
湊に水筒を手渡され、受け取ると…
ふとお守りを貰った時の不破の顔が横切った。