素直にさせないで
確かにあんなに声をあげて私を思ってくれる人はいないのかもしれない。
「でも私が好きなのは、ああいう男じゃないの!!」
「へぇ。」
「マイク…じゃなくて湊みたいな優しくて誠実で」
あれ・・。なんか私の方が誠実じゃないなこれ・・
「あー…なんか不破じゃなかったらもうこの際誰でもいいように思えてくる・・・。私不破病におかされてるんだ・・・」
もう末期状態だと頭を抱えてると、
「ぷっ!!あはははっ!」
「笑わないでよ湊!!!」
「それ不破さんを好きなの認めたくなくて他の人に逃げてるようにしか見えませんよ。」
「…!!断じて違っ」
「不破さんは、新川さんの全部好きでいてくれますよ。」
「やめて…キショイ…」
「ははっ」
やだって。あんなバカ。
嫌いだって。
○願望 叶わず志を低く持て
○恋愛 成就しがたい
…でも。
「不破。」
「あ?」
「今日は…一緒に帰ってあげる。」
真っ赤な顔を背けながら私は渋々言った。
「あ…っああ当たり前だろーが!!!」
隠しきれない嬉しさを誤魔化すようにベシッ!!とタオルを投げつけられて、
「何すんのよ!!ばーか!!」
「喜んでんじゃねぇーよ!!」
「あんたでしょうが!!」
卒業まで2ヶ月。
不破の顔ももう毎日見れなくなる。
神様。
ありがとうございます。WW