素直にさせないで

今日から私とバカは別々の道





全国ニューイヤーカップは念願の全国3位の有終の美を飾り、学校を上げて盛り上がった。
冬季大会も愛知県で優勝し、不破達6年は1月に引退し、放課後は早くも中学校の練習に混じって参加していた。

「ららと一緒に通学できるのも、あと2ヶ月かぁ。」

教室を見渡しながら卒業制作に取り込む瑠菜がしみじみと言った。

「うん。本当。なんか実感わかない。」

私は2月の5日に迫った中学受験に向けて追い込みをかけていた。

「そんなに猛勉強しなくても、ららなら余裕でしょ。あんなにミニバスのマネージャーで忙しかったのに、塾の模試も一位だし。」
「油断は禁物!テストの当日まで頑張らなきゃ。」

いよいよ念願の名古屋大付属女子への入学を控えて集中力を高めてると、

「行くぜぇ!!」
「わはははっ!!」
教室の端からは、また一回りサイズが大きくなった不破が子分達とラグビーをして暴れして大きな物音を立てている。
「もー男子!静かにしてよー!」
クラスの女子達からはクレームがいくも、
「なんか不破君、日に日に大きくなってる気がする・・」
「ランドセル入らないし、この前小学生だって信じて貰えなくて映画館で大人料金とられそうになって大暴れして補導されてたらしいよ。」
「だよね・・176cmってうちのパパより大きいもん・・」
ヒソヒソと話す女子達の声が耳に入るも、私は聞こえないふり。
もうすぐアイツともなんの関係もない日々がくるのだから。


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