素直にさせないで




「ふははははっ!!!ららっ!!そんなに俺様の隣が嬉しいかっ!!」

「あんたはそんなに人に指図して嬉しいの?」
もう半分慣れっこでため息交じりで私は参考書を広げるも、
「どうだ?俺様の隣で嬉しいだろ?素直に言えよ!」
私の肩に手を回して、顔を近づけてくると、

「ま、いいけど。どうせあんたと会うのもあと二ヶ月で終わりだし。」
「あ!?中学校でもお前と俺様は隣同士だからな!覚えてろよ!!」
「は?違う中学に行くのに、隣なわけないでしょ。」


「あ…?」


ようやく気づいたのか、私の手の中学受験の参考書の文字に目をやった。

「受験…?!は…?お前受験すんのか?!」

「え、今さら?」
知らなかったのかと私は呆れた顔をした瞬間、

がちゃぁぁああんん!!!

「誰の許可を取って受験なんかしようとしてんだぁぁああああああ!!!!」

私の机をひっくり返し、参考書は宙に舞い、教室で大暴れをする不破のおかげで、その日楽しいはずのホームルームは悲惨なものになった・・・


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