素直にさせないで




「あれ、不破さん。今日は中学校の練習行かないんですか?」

学校が終わり一日職員室で説教だった不破は、ミニバスの練習が始まった体育館へやってきた。
「「こんばんはー!!」」
すっかり世代交代を果たし、他の部員達が不破に深々頭を下げ、キャプテンを任された湊がやってくると、

「おい、翔真!ららは?」
「今日願書出しに行くって聞いてます。入試明後日ですよね。」
「おまっ…知ってたのかよ!?」
「え・・・」
なぜ気づかない…?と思わず言いたくなる口を押さえるのに必死な湊であった・・・。

「アイツ…この俺様に何も言わずどこ中行くんだよ!!!」
バン!!とベンチを蹴りあげながら苛立ちの矛先を探してるようだ。

「ま、でもあのバカのことだ!落ちるかもしれねぇよな!?」
淡い期待が芽生えたのか湊のTシャツを掴んで勢いよく尋ねる。
「いや、新川さんの成績なら全国どこの中学でも受かりますよ。下手したら高校も受かりそう…」
「ぁあっ!!?あのバカが受かるくれぇなら、この俺様だって受かるに決まってる!!!どこだその中学は!!!」

「無理ですよ。不破さんには。」
「ぬぁんだとぉお!?てめぇ誰様に向かって口聞いて…」

「女子中ですよ。新川さん。」




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