素直にさせないで




「あ、新川先輩こんにちはー!」
外へ出ると陸上部の子達が体育館から帰ってく私に気付き、元気よく挨拶をくれる。
「こんにちは。頑張ってね。」
「はーい!さよならー!!」
きっとマネージャーになっていなければ、私のことなんて知らなかった子達。

色んな出会いに、色んな思いが駆け巡った校舎。

バスケで色んな人達に出会えて、喜びも悔しさも知ることができた。微力ながら一緒に戦うこともできた。

嫌々やり始めたことが、いつの間にか自分の財産にも糧にもなった。

見上げると青い寒空が滲んだ。




…神様。


あおげば尊しです。

少し寂しいけど、今こそ、別れめ。




いざさらば。








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