素直にさせないで
バッ!!
私は思わず人の群れに隠れるように目が合わないように背を向けた。
寒気が止まらない…。
なんでアイツがここに…。
縮こまり、背中を丸めアイツに見つからないように影を踏むように中学校の方へと忍び足で歩くも・・・。
「うぉぉおいっ!!!てめぇなんで彼氏様を無視してやがる!!!」
無駄だった・・・。
あの歩く展望台からは、私の姿などすぐに目につくらしい・・
ギクッと体を震わせながら私はゆっくりと振り向き、
「分かった!不破っちょっと来て!!」
勢いよく腕を掴み引っ張って曲がった路地へと移動する。
名門私立入試の当日に何か問題でも起こしたら私の受験終わる・・・。