素直にさせないで




「お前…後悔するぜ!!絶対後悔するぜ!!マネージャーのベンチで見たかったって…お前は絶対に後悔する!!!!」

寒さであかぎれした頬に気づくと半べそかいて必死に訴えてくる。

「マジで、中学入ったら、俺様は今以上にクソモテて、モテてモテて仕方なくて」
「あーはいはい・・」
段々相手にするのも面倒になって背を向けて歩き出す。

「学校どころか愛知で一番可愛い女と付き合ってお前泣きを見て後悔して、俺様にすがり付いても知らねぇぞ!!?そんときはもう遅いんだぞ!?」

「そうしたら紹介してよ。そのモンスター級の彼女を。」
すたすたと歩き始めると、
「ぅおいっ!!!待てぇ!!!」
がっちり私は手を捕まれると、

「もう!!いい加減にしてよ間に合わ…」
いいかけた口が止まってしまったのは、コイツの手が異常に冷たくて、半分凍傷でも起こしてるんじゃないかと思うくらいだった。

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