素直にさせないで
「名古屋女子蹴ってまで不破君と一緒にいたかったんなら、ちゃんと捕まえておかなきゃ。」
「何回も言ったじゃん!!蹴りたくて蹴ったわけじゃないの!!アイツがお腹下して試験に間に合わなくて…」
「でも、ららの頭脳なら、試験に一時間くらい遅れても合格できたんじゃないの?」
「何が言いたいの・・・瑠菜。」
「応援、してるよってこと♡」
にんまりと微笑む彼女に、
「いい加減にしないと本当、怒る」
「分かったわかった。ごめんごめん。」
……
瑠菜のいう通り、あの日少しくらい遅れても入試に行けば受かっていたかもしれない。内申もめちゃくちゃいいし、急病人の介護していたと言えば…
それなのに、私は行かなかった。
別に、断じて、不破と一緒にいたかったわけじゃない。
ただ…
ーーガンッ!!!
いきなりやってきた不破が私の隣の男の子を椅子で蹴飛ばして、床に倒れさす。
「うっわぁぁあっっ!!!なななにす…」
「どけ。ここ、俺様の席なんだよ。」
「不破君何言って…出席番号順で」
「うっせぇどかねぇーなら、力付くでやんぞ。」
ビビった男の子はすぐに席を譲り、私の隣に不破は移動してきた。
「ちょっと…あんたね…」
「あんだよ。」
「窒息しそう・・」