素直にさせないで
中学入って、不破は少し変わった気がした。
背もついに180cmを突破し、喉仏も出てきて声変わりし、前よかほんの少し、ほんの少しだけ言葉数も減ったように思えた。
「隣だからってあんま見すぎんなよ。」
だが、勘違いだけは悪化の一途を辿る・・・。
「本当見苦しい勘違いやめて。」
そのニヤニヤした顔に私は頭痛が止まらない。
「お前、放課後空けとけ。」
「なんでよ。」
「バスケ部行く。」
「いってらっしゃい。」
「あ?お前もくんだろーが!」
「私、マネージャーやるなんて言ってない。何部に入るか色々見たいし。」
がっしゃんっ!!!
「うわぁあぁあ!!痛いぃ」
再び長すぎる足で前の席を苛立って蹴りあげると、男の子は悲鳴をあげてる。
「お前、何のためにここに来たんだよ。俺様のバスケの為だろ?」
「違う。勘違いしないで!ただ名古屋女子の受験に間に合わなかっただけだから。」
「あーそ。じゃこの上履き返さないからな。」
「もういいよ。その上履きもあんたに触られて腐りかけてるとこだし。」
「なんだとぉぉおっ!!」