素直にさせないで
チャイムが鳴ると、教室から出ようと立ち上がろうとするとパシッ!!と私の手を引っ張りあげる・・・
「ちょっ…!!やめてよ!!」
「うっせ。行くぞ。」
「やだやだやだぁぁあ誰かぁぁあ助けてぇぇ」
廊下を引きづられるように、バスケ部へと歩いてく。
「まだ放課後じゃないじゃん!」
「だってお前逃げんだろーが。」
「よくわかってるじゃん!」
「なんでお前って昔から素直じゃねーの?いちいち面倒なんだよ。そーいうの。」
「あんたにはとっても素直よ!!私は!!全身全霊で嫌がってるのが分からないの!?」
なんやかんや言っているうちに、バスケ部に到着すると、
「うわ・・・すごっ…」
体育館入り口には、壁の隙間などないくらいにバスケの全国大会の賞状がびっちりと一面に飾られていた。
ガラスケースの中にもトロフィーがぎゅうぎゅう詰めに飾られている。
「強豪とは聞いてたけど、この年数勝ち続けてきたって凄いね…」
男子はほぼ毎年タイトルを取っていて強豪の歴史を感じた。
「まぁ、俺様の入部で賞状もトロフィーもこの倍飾ることになるだろうな。」
だが不破は興味もないようで、いつものように俺様節を吐くだけだ。