砂糖づけのラブレター
「ひなた!ちょっと待ってよ!いいの?あんなケンカしちゃいっぱなしで…」
「………。」
よくない。
今まで慧太に対して一人で怒ってた事は何回もあるけど、あんな風に声を荒げてその場を去ることなんて無かった。
だって慧太の性格上、自分から謝ることなんて無さそうだし私がもういいって言ったらこの関係が終わりそうなんだもん。
「芹那ちゃんも聞いたでしょ?慧太、私の事邪魔だって。迷惑だって…。」
「うん。でもまぁ勝手に職場に押しかけたら嫌がる人もいるよね…」
「そうかもしれないけど、仮にも彼女だよ?もっと優しく言ってくれてもいいじゃん。そもそも慧太がバイト先隠すからいけないんじゃん!」
だんだん話しながら私の感情はヒートアップしていく。
「慧太君が何考えてるかわかんないのは今に始まったことじゃないしさ。こんな事ですれ違わない様に二人でしっかり話し合えばいいんじゃない?慧太君も本気で言ったわけじゃないと思うよ?」
芹那ちゃんはいつも慧太バカな私を「はいはい」って受け流すけど、肝心な時はいつも優しく背中を押してくれる。
「…ありがと。」
だけど!!!
「でも今回は私折れないよ!!!」
「え?」
芹那ちゃんは普段と違う私に目を丸くする。
「だって慧太も私に対してあの言い方はひどいもん!結局私だけが歩み寄っても、慧太も同じように歩み寄ってくれなきゃ意味ない!そうだ!だから今回は私は待ちの姿勢で挑みます!!」
「…こじれないといいけど…。」
「大丈夫!その時はその時!さ!芹那ちゃん今日は朝まで飲むよ!!」
「いや、どこのサラリーマンよ…。もう遅いし帰るよ」
芹那ちゃんの肩を組んだがやんわりと断られ、私達はそれぞれの自宅に帰るため電車のホームで別れた。
付き合うってお互いを大切に想って信頼を築いていくことだよね?
馴れ合いにならずお互いがお互いを高め合って成長して…。
…って、実際頭で思っててもいろんな人がいるからその想いも人それぞれなのかな…。
慧太は私の事、好きだって思ってくれてる?
女の子は、言葉や行動で示してくれないと不安になるんだよ。