砂糖づけのラブレター
あれ?そう言えば…。
「ねぇねぇ慧太。慧太のおうちって動物飼ってたっけ?」
「あ?」
カフェで一休みし私はクリームソーダ、慧太はコーヒーを飲んでいた。
「さっき小動物飼ってるって」
「またストーカーしてたのか」
「カップルだったらストーカーじゃないもん!」
頬を膨らませながらアイスクリームをスプーンですくい慧太の口に入れた。
「おいし?」
「あま…」
親指で下唇をなぞる姿もカッコいい…っ!!
「手のかかるって…。まだ小さいの?」
「……まぁ」
「へー!可愛い??」
「………別に。」
「なに今の間!あ、実は溺愛してるけど恥ずかしいから知られたくないんでしょー!慧太ってば可愛いとこあるんだから〜!」
「うるさい。静かに食え。」
慧太は不機嫌になりコーヒーに口を付ける。
慧太って意外に面倒見いいし、きっと大事にしてるんだろうなー…。
「あれ?慧太じゃん!」
顔をあげると人懐っこい笑顔をしたカフェスタッフの男の子が声を掛けてきた。
「晴人、久しぶり」
"晴人"と呼ばれたスタッフさんは慧太の肩に手を置き、懐かしむように目を細めて話しかける。
「なんだよ、相変わらずクールだな!卒業式ぶりに会うんだぞ!お、もしかして彼女?」
"晴人"君の大きな目が私を捉え、思わず背筋を伸ばす。
「えっと、慧太の彼女で佐々木ひなたです!」
「俺、天野 晴人!慧太とは中学の同級生なんだ。よろしくね」
綺麗な二重瞼に人懐っこい笑顔。
慧太とはまた違ったイケメン…。
やっぱり類は友を呼ぶのね!!
「こんなとこで何してんの?」
「見りゃわかんだろ、バイトだよ!実は事故って、この間まで…」
久々に会えたのが嬉しいのかほんの僅かで他の人だとわからないと思うけど、慧太の表情はいつもより柔らかかった。
「あ、やべ!こんな事してたら店長に怒られる!」
「早く仕事しろ」
「今人足んねぇんだよー。あ、慧太うちで働かねぇ?」
慧太がウエイトレス姿…。
絶対かっこいい!!!
「やらねぇよ」
「だよなー。お前は省エネ男だもんなー。ま、いいや!彼女さんも邪魔してわりぃな!」
「あ、いえ、全然!」
急に話しかけられ、整った顔がこちらを向き思わず顔が赤くなった。
「実はさ、俺も最近彼女出来たんだよ。今度4人で遊ぼうぜ!また連絡する!じゃあな、ゆっくりしてけよ!」
晴人君は笑顔でそう言うとトレイを持ち他のテーブルへと行ってしまった。
なんだか嵐の様な人だった…。
「慧太のお友達だったんだね!」
「中学までほとんど毎日つるんでた」
「へー!そうなんだ!晴人君もイケメンさんだねー!絶対モテてたよね!中学の同級生か…。羨ましいな…」
「………。」
晴人君は私の知らない慧太を知ってるんだよね。
ちょっぴり羨ましいよ。