自分の恋より、他人の恋
「ん。はよ」
いつも通りの時雨さんだ。
私からキスした時は避けてたのに、気持ちいいくらいいつも通りの時雨さんがいる。
なんというか、いつも通りすぎて逆に私がいつも通りじゃなくなる。
時雨さんの方をあまり見れないし、私から話しかけることは基本ないんだけど、今日はさらに時雨さんとの会話がない。
時雨さんが話しかけてきてくれてもいつもより素っ気ない返事をしてしまう。
そんな様子で一日があっという間に過ぎていき、6時限目後の体育館横の掃き掃除をしていると…男女の会話が微かに聞こえてしまい、気になった私は覗き見をしてしまった。
それがダメだと分かっていながらやってしまった私の目に飛び込んだのは___…
「時雨…さん、」
時雨さんが1年生の可愛らしい女の子に告白されているところだった。
___焦るように、鼓動が速まった。