自分の恋より、他人の恋
【時雨 翔和Side】
朝、俺はいつも通りに登校しているはずなのに…周りがやけに騒がしくてそこだけがいつも通りじゃない。
見られるのはいつものことだけど、今日感じる視線はどこか違うモノの様に感じる。
これは一体何なのか…___答えは予想より早く見つかった。
「ねぇ時雨、聞いたよ!どういうこと?」
「私たちに説明してよ」
教室に入るや否や、クラスの大半の女子が俺にグイグイと囲むようにして群がった。
待て待て、何この状況。ていうか色んな香水の匂いが混じって臭いんだけど。
俺は小夜から香る香りだけしか受け付けない___って、そうじゃなくて
「説明って何?」