自分の恋より、他人の恋



「ねぇ、あれまさかうちのクラスの」


「え、まさかみだれ?嘘でしょ」


「冗談言わないでよ。あんな地味女が変われるわけがない」




小夜の可愛さに浸っていたら少し離れた場所にいるウチのクラスの女子の良くない声が聞こえて気分が悪くなり、こんな場所で小夜とゆっくり話もできないからいつもの場所___中庭へと場所を変えた。




「時雨さん?どうしたんです、急に腕なんて引いて」


「あんな騒がしいと小夜と2人きりで話せないでしょ」


そう言ってベンチに座ると突っ立ったまま俺の隣に座ろうとしない、様子のおかしい小夜を覗き込んで…胸が高鳴った。




「なんで、赤くなってんの」




恥かしそうに俯いて、見たこともないくらい赤面している小夜がいた。


マジでなんなの、その顔は反則だって…。


あー…あち、俺の顔まで熱持ち始めたよ。




「とりあえず隣…座ったら?」




ずっと赤くなりあっても埒があかないので、小夜を隣に座らせるとさっきの女たちとは違う、香水なんてつけないのに小夜のいい香りが俺の鼻をくすぐった。



この匂い、落ち着くんだよな。



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