自分の恋より、他人の恋
「時雨さん、私は初めてこんなに男の人と関わって貴方といると楽しいって思えた。今思えば、ファーストキスも時雨さんでよかったなって思います」
小夜が男と話すことを苦手としていたことも知っていた、それでいて俺と話すことだけは平気そうなのを見て嬉しかったし、その特別感がどうしようもなく幸せだった。
俺といて楽しいって本音を聞けて、ファーストキスが俺でよかったって知って、俺はこれ以上ない嬉しさが込み上げる。
「時雨さん」
「何?」
「わ、私っ…」
「うん」
「貴方のことが好きなんです…!」
___その言葉がどれほど聞きたかったか。