自分の恋より、他人の恋
シリアスな雰囲気の中そんな言葉を突っ込ませてきたのは明るくてきゃぴきゃぴ雰囲気のミミで、「ちょっとミミ…今いい感じだったのに」と溜め息を漏らすミカだけど、そんなミミにももう慣れていた。
仕方ないなと言うように息を吐くと「そうだね」と優しい瞳で小さくなっていく時雨と小夜の後姿を見つめる。
「あんな地味な格好してたのに、たった2日であそこまで開花してしまうなんて」
本当凄いよ、と未だに驚きを隠せないミカ。
ミカ達の記憶にもしっかりこびり付いているのは地味な格好してる時の小夜で、あんなに生まれ変わるとは思ってもみなかった。
「きっとそうさせたのは時雨くんなんだろうね」
見る目ありすぎだよね、と感心するリンノの隣にいるミミはニコニコしながら「乱さんは本当時雨くん様々だね」と意味を読み取れないことを呟いた。
何が時雨くん様々なんだろう。