自分の恋より、他人の恋


「あれれ、そうでしたっけ?」


「アンタな…」



しらばっくれた反応をすれば、呆れた顔をされた。

そうなんだよね。冬休み明けにクラス表見たら、なんと私と時雨さんが同じクラスで、まさかの席がお隣さんだった。



それから私たちに“また”が訪れ話す様になったんだけど、その時に「時雨さん」って呼んでいたら「苗字呼ばれ慣れないから却下。さん付けもいらない」と言われたけど、私はそれを聞かなかった。



だからこうして「時雨さん」と呼び続けているわけ。


どうにも彼は不満らしいけど。




「前も言いましたけど、私は好きなように呼んで構わないと言って時雨さんは小夜って呼んでます」


「当たり前だろ」


「だけど、貴方も好きなように呼べって最初言ってたじゃないですか」


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