自分の恋より、他人の恋
時雨さんに体だけの関係の人がいれば別だけど、それもいないんだとしたら可哀想なことをしてしまった。
「久しぶりのキス、私なんかですみませんでした」
「は…いや、」
「でも、気にしないでください。そう、犬か猫にでも舐められたかのように思ったらいいですよ」
そうだ、私も犬か猫にでもキスしたように思ってさっきのキスはノーカンにしよう。
そうすればいいんだ、と思いついた私はすぐにさっきのキスをノーカンにした。
「時雨さんもノーカンにしておいてくださいね」
彼にそう告げて、私はさっさと駅へと向かった。
まぁ、彼との変える方向は別だし一緒に帰るということは今までもないから校門でお別れなんだけど。