自分の恋より、他人の恋



「み、見た!?ねぇねぇ今の見た!?ヨウタがちょーカッコよかった!」


「うんうん、かっこいいねー。本当かっこいいよミミの彼氏は」


「ちょっと棒読みじゃん!」


「そんなことないって」


「ヨウター!すごいカッコよかったよー!」




こっちはこっちで(お遊び程度だけど)バレーの試合をしているというのに、相手のチームの1人の女子がさっきのヨウタさんのシュートを見てキャーキャー言っている。



そう、お察しの通りミミさんとヨウタさんはお付き合いをしていて、そして私が観察対象としている温度差カップル。



彼女が嬉しそうにカッコいいとかヨウタ―!と可愛らしく手を振っているのに、彼氏であるヨウタさんはそれを一度視界の端に映すと何も言わずにすぐ目を逸らして試合を再開してしまった。



相変わらず低温対応…それにも屈せず「んもうっ」と頬をぷっくりふくらますの彼女はいつもこんな感じで高温対応って感じ。



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