自分の恋より、他人の恋
「嗚呼、思い出しただけで楽しい」
その理由とやらはこの体育の後のお昼に見れると思うからそれまで秘密にしておくとする。
で、相変わらず彼氏に対してお熱のミミさんと彼女に対して冷たいヨウタさん、それを観察し続ける私。
授業が終わる最後の最後まで空気になり続けていた。
授業が終わって着替えて女子更衣室から出ると、男子更衣室から他の男子と話しながら出てきた時雨さんと目が合い___パッと逸らされた。
え…今確実に目が合っていたのに。
いつもなら「よ、小夜。今日の昼も観察するわけ?」なんて話しかけてきてくれるのに。
やっぱり私は避けられているんだと確信した。
何が理由かは知らないけど、何もしてないのにこんなことされるのは悲しいしムカつく。