自分の恋より、他人の恋
「ほら、さっさと歩いてよ。お昼なくなっちゃうじゃんか」
「わっ、待ってよミカちゃん。そんなに急がなくてもお気に入りのパンはなくならないよ」
あぁ、今日もなんて素晴らしいやりとりなんだろう。
これを見ただけで体の内からゾクゾクしてしまうのはきっと私だけ。
でも決して変態なわけではない。
これも観察のうちに入るのだからな。
「あーもうっ、トシヤ歩くの遅すぎ!とろすぎ!走るよ!!」
「え?うわぁっ」
そう言って彼女のミカさんは彼氏のトシヤさんの手を引っ張って走って購買へと行ってしまった。
あーあ、もう少し見ていたかったのに。