自分の恋より、他人の恋
誰の恋
隣の君
その日の放課後、私は時雨さんを捕まえるために人間観察以外でギラつかせない目をギラつかせていた。
今日は金曜日、今日を逃してしまえば土日を挟むから余計にダメだ。
元々友人と言える人がいない私にとって彼の存在はそれなりに心地いいものになっている。
避けられてどうでもいいなんて感情はない、むしろ寂しいとか悲しいとかそう言う感情がふつりふつりと湧いてくる。
だから時雨さんがどうして避けるのかはっきり理由を聞かないと私も納得して関わらないってできない。
さぁ…全て吐いてもらいますよ。
SHRが終わり、タイミングよく放課後の鐘が鳴った瞬間彼が動き出したと同時に私も鞄の紐を肩にかけて彼の大きな背中を追いかけた。
足の長さが違うから歩幅ももちろん違うわけで、差は一気にひらいてしまう。
そんなの想定済みだ。