自分の恋より、他人の恋
「じゃあ、最後に。ご存じのとおり自分の恋より他人の恋なもので初恋という初恋をしたことがないし、彼氏もいたことはありません」
自分に彼氏なんて不要って思って生きてきたからね。
「もう察してると思うけど、時雨さんとのキスが私にとってもファーストキスです」
目を見てそう告げながら、唇柔らかかったなぁ…なんて思い出す。
本当形のいい唇にいい色してる。
私なんて乾燥しやすいからケアが大変だって言うのに、羨ましい。
「ファーストキス、あんな簡単にしてよかったのか?俺でよかったの?」
「むしろイケメンでモテモテな時雨さんが初めてでよかったです。自慢ものですね」