自分の恋より、他人の恋



「にしてもアレがタイプなのか」




トシヤがアレと言ってしまうのも仕方がない。


だって乱 小夜は自分でも言っていたが、その見た目が地味なのだ。


伸びきった黒い髪に、目にかかるくらい前髪も伸びていてサイドに分けることなく前に流したまま。



制服は校則通りに着ているから、膝丈スカートに第一ボタンまで絞められたシャツにピシッとした紅色のかわいらしいリボン。



それらを上手く着こなしきれていないせいで地味がさらに地味に見えるってわけだ。




「なんであんな女の子と接点なんてあるわけ?」




皆の疑問を代表して言ったショウヘイに翔和は1年の終業式の日サボっていたら出会ったことを話した。



趣味が人間観察だということも。



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