自分の恋より、他人の恋
まずは扉に近づいて2人の会話を聞こうと耳を澄ます。
盗み聞きに値するのだけど、これが私の楽しみの1つだからちょっとだけ許して欲しい。
「ん、うま。やっぱりこのパンじゃなきゃダメだ、他のパンはない」
「そう?他のも美味しいのに」
「トシヤはこのパンの良さが分からない?他のと全然違うし」
そんな普通の会話をしながら2人は食事を続け、10分後お昼ご飯を食べ終えた後の2人のやりとりが好きなのだ。
「さて、今日はどうなるんだろう」
私の胸のワクワクは治まるどころか高まるばかりで、こんなにワクワクすることって中々ない。