自分の恋より、他人の恋
「でもね小夜、服だけ可愛くしてもダメじゃん」
ダメ、なのか?
よく分からなくて首を傾げれば「可愛い~」と頬に手をあてクネクネする我が姉。
可愛いのは貴女だから、という言葉を飲み込んで姉を見つめれば腕を掴まれて可愛らしい、THE女の子な部屋に連れ込まれた。
「服は可愛いけど、髪も工夫してメイクしなきゃ」
そうすれば相手の子が直視できなくなっちゃうくらい可愛いよ、と助言してくれたけど時雨さんが私を直視できないって、そりゃあ地味でブスだから目も当てられないってこと?
まぁ、そこは否定できないし否定しないけど。
「あー、小夜また余計なこと考えてるでしょ。ブスでもないし地味でもないからね、死ぬほど可愛いってことだから」