自分の恋より、他人の恋



自信持ちなさいって姉はよく言うけど、自信を持てるほどの容姿でもないから何も言えない、



姉ほどの美貌があれば、それは自信に満ち溢れることができるんだろうな。


そんな私の気持ちなんてお構いなしに姉はゴムやピン、メイク道具をテーブルに広げると下地とかファンデーションとかを肌にのせていき、ラメが入ったやつとかブラウンのアイライナーというやつを駆使して私を私じゃなくしていく。




メイクをするというよりされるのはもう何回目かな。


自分ではやらないからいつも姉にやってもらっていた。


といっても自ら頼むということは一度もなくて、姉の人形になったように着せ替えさせられたり、メイクさせて!と頼まれれば1つ返事でメイクの練習相手になっていた。




「はい、できた」




「やーん、今日も可愛い」と言いながら早く見てと言わんばかりに手鏡を押し付けられ、鏡を覗いてみればそこには変わりすぎてもはや誰だか分からない私の姿があった。



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